アクション映画ということで、劇場まで足を運びましたよ。
デンゼル・ワシントン主演『アンストッパブル』。
同じく主演として、『スタートレック』で若きカーク船長を演じたクリス・パインが出てます。
そして監督は、トニー・スコット。
やっぱアクションものの映画は、劇場の大画面で観ないと迫力が違いますからね。
それでまず結論的なものを言いますと、やっぱコレは劇場で観て良かったです。
物語は、とにかく機関車がモノスゴイ勢いで突っ走るんですよ。
そりゃーもー誰にも止められないんです、なんせ作品名が「アンストッパブル(Unstoppable=止めることができない)」ですから。
まーそんな暴走する機関車を最終的にはデンゼル・ワシントンが止めるんですけれどもね、事前にハッピーエンドって聞いてましたからね。
それは分かってるんですよ、分かってるんですがそれでも画面の迫力と物語のテンポと勢いでハラドキさせられるわけです。
そもそも何でその機関車が暴走を始めたかってーと、実にマヌケな話でして。
マヌケな機関士が、マヌケなことをしでかしてしまうんですよ。
中途半端なブレーキのかけ方をして、なんと走ってる列車の運転席を降りてしまうんですね。
コラコラそれはいかんだろーキミ、オーイ早く戻れっつーの。
そしてその列車がどんどんとスピードを上げていき、戻ろうとした機関士を置いてきぼりにしたまま爆走。
しかもそれが危険な薬品を積んでたものだから、まさに高速兵器と化して大変な事態に。
コレを止めようとする鉄道会社の作戦を、次々に蹴散らかしてさらにスピードを上げる列車。
そして義務でもなく命令されたわけでもないのに、自らの身を賭して事態の収束に向かうデンゼル・ワシントン。
それにしてもデンゼル・ワシントン老けたなー、いつの間にこんなジジィになっちまってたんだろ?
それはともかく頑張れジジィ走れデンゼル、止まれ列車!
まさに、ノンストップ・アクション・サスペンス。
轟音を上げて走る列車の大迫力が、大画面でダイレクトに襲いかかってきます。
でも実はこの映画で注目するべきなのは、アクションやスリルだけじゃないんですね。
合間合間に挿入される、登場人物の人間関係を見過ごしてはいけません。
デスクの上司と現場の社員、親と子、夫と妻、ベテランと新人。
様々な人と人との隠れた繋がりが、物語に深みを持たせているんですね。
こういった人物描写が、陳腐だとかストーリとして不要だと言う方もいらっしゃるでしょう。
いやでも、違うんですよ。
実はこの映画のキモはアクションシーンではなく、いろんな立場の人の繋がりや思いにこそあるんです。
単なるアクション映画としてだけ観るのは、もったいない作品なんですね。
そういうシーンをジックリと味わって頂きたい映画です。
二兎を追って上手くいかない例は多いですが、これはなかなかバランス良く二兎とも得られたケースだと思いますよ。
そんな部分を感じ取ることができるならば、この映画は劇場ではなくDVDなんかでも十分に楽しめることができそうです。
迫力は画面のサイズに比例して小さくなるでしょうが、劇場で見逃した人にも観て欲しいと思えた作品でした。